「スタイリッシュで、なんとなく良い感じの映像にしたい」 「うちの会社の強みが、エモい雰囲気で伝わる動画にしてほしい」
映像制作やプロモーションのご相談をいただく際、最初から明確なコンテや具体的な数値目標が決まっているケースは稀です。多くの場合、クライアントの頭の中にあるイメージは、このように抽象的で、言葉にならない「空気感」のようなものです。
ここで「もっと具体的に指示をくれないと作れません」と突き返してしまうのはプロ失格。かと言って、言われた通りに「なんとなく綺麗っぽい動画」を作っても、クライアントのビジネスの成果には繋がりません。
今回は、私たちが日々現場で実践している、クライアントの抽象的なイメージをロジカルに解体し、最高の画へと翻訳するための「ヒアリング術」についてお話しします。
1. 抽象的な言葉の「裏にある動機」を因数分解する
「エモい」「スタイリッシュ」「信頼感がある」といった言葉は、人によって定義が全く異なります。だからこそ、その言葉自体を深掘りするのではなく、「なぜその言葉を選んだのか」という背景(動機)をロジカルに切り分けることから始めます。
【例:「なんとなくスタイリッシュに」の解体】 クライアントが「スタイリッシュにしたい」と言ったとき、私たちが最初に行うのは以下のような因数分解です。
- 目的の確認: 「競合他社が泥臭いアピールをしているから、差別化して洗練されたブランドに見せたいのか?」
- ターゲットの確認: 「これから採用したい、感度の高い若手人材に響かせたいのか?」
- 課題の確認: 「今の自社サイトが古臭く見えてしまっていることが不満なのか?」
表面的な「スタイリッシュ」という言葉を剥ぎ取っていくと、「競合との差別化」や「採用ターゲットへのアプローチ」という、ビジネスにおける本質的な目的が見えてきます。
2. 形のないイメージを固定する「2つの翻訳ステップ」
本当の目的が共有できたら、いよいよ抽象的なイメージを具体的な「画(ビジュアル)」へと翻訳する作業に移ります。
まずは、映像の「方向性」を言葉で定義します。「今回は、先進的なイメージを伝えるために、無駄な要素を極限まで削ぎ落とした『引き算の構成』で行きましょう」といったように、なぜその演出にするのかという理由(ロジック)をクライアントと共有します。
言葉の定義ができたら、次はビジュアルのすり合わせです。私たちは、イメージに近い既存の映像や写真、カラーパレットなどを複数提示し、クライアントと一緒に「これです!」「これはちょっと違いますね」という答え合わせを行います。 このとき、「なんとなく」を放置せず、「この映像の『静けさ』が理想に近いんですね」と、要素を一つずつ言語化してピン留めしていくことが重要です。
3. 「対話」から生まれる、コンテを超えた最高の画
徹底的なヒアリングとロジックによる翻訳を行うと、撮影現場に立つときには、クライアントと私たちの間に「ブレない共通のゴール」が完成しています。
ゴールが明確だからこそ、現場での対応力も跳ね上がります。 例えば、撮影当日の光の入り方を見て、「コンテではこうでしたが、今のこの自然光を活かした方が、打ち合わせで仰っていた『嘘のない誠実な雰囲気』がより表現できますが、どうですか?」といった、その場の閃きを活かしたプラスアルファの提案ができるようになります。
これは、抽象的なオーダーをただの「作業」として受け取っていたら絶対に不可能な、クライアントとの幸福なパートナーシップが生むクリエイティブです。
結論:プロのヒアリングとは、並走すること
クライアントの「なんとなく良い感じで」という言葉は、私たちクリエイターへの信頼の証であり、まだ見ぬ素晴らしい作品の種です。
大切なのは、その種をロジカルに紐解き、確かな表現技術という水を注いで、誰もが納得する形へと育て上げること。
言葉にできない想いや、形にならないビジョンをお持ちでしたら、ぜひそのままの言葉で私たちにぶつけてみてください。私たちがそれを、誰の心にも深く刺さる最高の映像へと翻訳してみせます。
📽️ あなたの「想い」を、確かなロジックで映像に。
株式会社ミラタス(撮影プラス)では、表面的な要望の先にあるビジネスの課題をロジカルに解体し、本質を射抜く映像制作・コンサルティングを行っています。
- 抽象的なイメージを確実に言語化・視覚化する、丁寧なヒアリングプロセス
- 「なぜこの画なのか」をすべて論理的に説明できる、無駄のない演出と構成力
- 光と影を緻密にコントロールし、どんなロケーションでも被写体の圧倒的な質感を表現する撮影技術
「アイデアはあるけれど、どう表現していいか分からない」とお悩みの方は、まずはじっくりお話を聞かせてください。
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